私たちは誰しも、その人らしい「色」を持っているのかもしれません。今回は、その色を見ることのできる特別な才能を持つアーティスト(蜜猫コノミさん)が生み出す「深層アート」について、詳しくご紹介したいと思います。
五感が色になる不思議な能力
深層アートを生み出すアーティストには、「共感覚」という特殊な知覚能力があります。共感覚とは、五感で感じたものが最終的に色として知覚される特別な感覚のこと。幼い頃からこの能力を持っていた作者は、当初はその特異な感覚に戸惑いを感じていたそうです。しかし、大人になってからこそ、この独特な知覚が持つ可能性に気づき、芸術表現として昇華させることを決意したのです。
深層アートとは何か?
深層アートは、単なるポートレートとは一線を画す、独特な芸術表現です。人物を見た際に知覚される色彩を絵画として表現するのですが、ここで描かれるのは外見だけではありません。その人の内面や本質までもが、色彩を通じて映し出されるのです。
魂の色を描く:制作プロセス
カウンセリングから始まる色彩の記憶
深層アートの制作は、被写体との対話から始まります。作者は驚異的な瞬間記憶力を活かし、対話を通じて感じ取った色彩を、まるで「写真」のように脳内に記録していきます。この記憶をもとに、ポストカードサイズの光沢紙に、約240色もの油性色鉛筆を駆使して描いていくのです。
丹精込めた制作
小さなサイズながら、一枚の作品の完成までには数日を要します。グラデーション技法を駆使し、繊細な色彩の混合を実現するため、強い筆圧をかけ続ける必要があり、身体的な負担も決して小さくありません。しかし、その努力が魂の色を映し出す鍵となるのです。
深層アートが映し出す三つの層
1. 肉体の層
最前面に描かれる物質的な部分です。ここには、その人の健康状態やエネルギーの流れが色彩として表現されます。興味深いことに、これは静止画ではなく、動的な映像として知覚されるそうです。
2. オーラの層
肉体を包み込む外側の層として描かれます。多くの場合、黄色い炎のような形で表現されるこの層は、その人のエネルギーフィールドを表しています。
3. アストラル層(背景)
オーラの外側を包む層です。ここには、過去や未来、さらには前世や来世といった、時間軸を超えた影響が表現されます。その人の思考や感情の傾向も、この層に反映されるのです。
色彩が語る物語
作品全体で最も大きな割合を占める「ベースカラー」は、その人の思考パターンや行動傾向を示唆します。例えば、紫色が基調となる人は、哲学的でミステリアスな性質を持っているとされます。また、白色は「光」として知覚される特別な要素として扱われ、ポスカや消しゴムで慎重に強調されます。
深層アートとの出会い方
山形県鶴岡市には、深層アートの制作を行うアトリエ&カフェが、趣のある土蔵を改装して営業されています。予約制のカフェでは、作者が無農薬で栽培したハーブや野菜を使用したお料理も楽しめます。
また、自分の「色」を知りたい方は、ウェブサイトから深層アートの制作依頼を行うことができます。作品を通じて、普段は気づかない自分の一面に出会えるかもしれません。
深層アートは、目には見えない人の本質を、色彩という形で可視化する独特な芸術表現です。それは単なる肖像画以上の、その人の魂の記録とも言えるでしょう。あなたの色は、どんな色なのでしょうか?きっと、想像以上に美しく、深い意味を持つ色彩が、あなたの中に眠っているはずです。