今日は、山形県鶴岡市にある不思議なアトリエ「ふくろうのかまど」で生まれる、独特な芸術表現「深音アート」についてご紹介したいと思います。
魔法のような場所:フクロウのかまど
趣のある土蔵を改装したアトリエ&カフェ「フクロウのかまど」。ここでは、絵画制作だけでなく、小説執筆、編み物、カフェ運営、そして畑仕事まで、様々な創造的活動が日々行われています。まるで、創造性の泉が湧き出るような空間です。
音を見る、色を聴く:特別な感覚
このアトリエで深音アートを生み出すアーティストには、「共感覚」という特殊な能力があります。五感で感じたものが色や光として見える―そんな不思議な知覚世界を持っているのです。
特に興味深いのは、視覚情報が一度音に変換され、その後色として認識されるという独特のプロセス。私たちが「見る」と思っているものを、アーティストは「聴いて」「見る」のです。
深音アート:音楽を色彩に変える芸術
音楽が導く色彩の世界
深音アートとは、視覚情報が音楽に変換され、その音楽が色彩として表現される独特な芸術形態です。クラシック音楽や人物から感じ取った音楽的な印象を、キャンバスの上で色彩や形として表現していきます。
この手法の目指すところは、対象の表面的な姿ではなく、その本質や内面を視覚化すること。言わば、魂の音楽を色彩で描き出すような試みとも言えるでしょう。
創造の瞬間:制作プロセス
画材と道具たち
深音アートの制作には、主にアクリル絵の具が使用されます。このメディアは、水彩風の繊細な表現から油絵のような重厚な表現まで、幅広い可能性を秘めています。
道具は主に3種類:
- 大きな平筆:広い面積の色彩表現に
- 丸筆:細部の表現に
- ペインティングナイフ:独特な質感表現に
トランスする心
作品制作時、アーティストは特別な精神状態に入ります。それは「トランス状態」や「変性意識状態」と呼ばれるもので、余計な思考を排除し、純粋に感覚に従って描いていく状態です。
色と音の神秘的な関係
音階が織りなす色彩
深音アートにおいて、色彩と音楽は密接に結びついています。例えば、特定の音階は特定の色彩として認識されます。最近制作された「はるくん」の作品では、DメジャーやEメジャーの音階が、オレンジや黄色の中間色として表現されました。
完成作品に込められた想い
作品は、オレンジ、黄色、茶色が織りなすハーモニーが特徴的です。ペインティングナイフによって生み出される独特な質感は、まるで音楽が形を持ったかのような印象を与えます。
アーティストからのメッセージ
深音アートを通じて、アーティスト(蜜猫コノミさん)が最も伝えたいのは、私たち一人一人が持つ美しい「色」の存在です。それは目に見える色ではなく、その人の内面から響き渡る音楽のような、魂の色なのかもしれません。
皆さんも、自分の中にどんな音楽が流れているのか、それはどんな色をしているのか、想像してみてはいかがでしょうか?きっと、思いもよらない素晴らしい発見があるはずです。
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フクロウのかまどでは、このような深音アートの制作が日々続けられています。機会があれば、ぜひ実際の作品をご覧になってみてください。きっと、あなたも音楽と色彩が織りなす魔法のような世界に魅了されることでしょう。